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「がっこう学の提唱」    東洋大学  長澤  悟教授

                           (当日の資料から)

 

学校づくりの目標と課題

「施設が変われば学校が変わるか?」という命題の基に考えると、施設環境の持つ力をがっこう学と考えることができる。

「人が建築をつくる。建築が人をつくる。」

「気品ある人間を育てるには、空間は豊かでなければならない。」

 

学校づくりの始めに大切なこと

「新しい子ども観・新しい教育観・新しい学校観」

 

学校とは

「心をぼろぼろにするところではなく、心を磨くところ」

「怠けるところではなく、努力するところ」

「仲間はずれにするところではなく、認め合うところ」

「みんながまっているところ、また、明日行きたくなるところ」

学校とは、「生きる喜びを育てるところ」

学校とは、「故郷のよさを子どもたちに刷り込むところ」

学校とは、「みんなの思い出がつまったところ」

 

理念 目標を立てること

「創造的な教育観の確立と教育内容・教育方法の改善」

「生涯学習や学校教育のための施設・設備の改善」

「地域住民の教育参加」

 

学校づくりの3つのキーワード

開く「時間、集団、教科、教室、学校」

選ぶ「教科、メディア、方法、仲間、先生、居場所、学校」

繋ぐ「子ども同士、子どもと大人、学校と地域、学校同士、他の町、他の国」

 

学校建築計画の7+1の課題

1 ハイクォリティ・スクール

高機能、多機能で柔軟性を備えた教育空間・学びの場

2 インフォメーション・スクール

情報化の進展に対応し、情報の受発信機能を備えた学校

3 ヒューマン・スクール

ゆとりと潤いのある豊かな生活空間・・・子どもの目線から

4 コミュニティ・スクール

地域に開かれ、地域と連携する学校

5 セイフティ・スクール

安全・安心で健康に過ごせる空間

6 ユニバーサル・スクール

年齢、障害の別なく、誰にもやさしく、皆が集まれるバリアフリーな場

7 エコロジー・スクール

地球環境にやさしい、自然を体感できる学校

+ センチュリー・スクール

変化に対応し、長寿命で皆に長く愛され、思い出を継承する学校

← 皆でつくる学校

  参加による学校づくりのプロセス 夢を語り合い、思いを込めて学校をつくる

  おらが学校=おらがつくった学校・・・個別の理解、特色ある学校づくり

当事者意識が愛着心を育て、積極的な工夫を生み、学校・地域変革の力となる

 

 

教育空間づくりの4つの目標

1 教師の協力体制を促し、支援できる

  集団としての教師のパワーを生み出す

  弾力的な集団編成に対応する

  複数の目で子どもを見つめる

2 多様なメディアが身近に用意できる

  主体的な学習、総合学習、個別化・個性化学習、情報活用能力

  図書・教材・機器・コンピュータ等が学習の流れの中で随時活用できる

  用意された環境は、教師から子どもへのメッセージ

3 能動的、積極的な行動を生み出せる

  教科の魅力を伝え、学習への動機付けを図る教材・作品の掲示・展示

4 人と人の関係を生み出す

  信頼されている、認められているという実感

 

教師は変わるか

1 近年のオープンスペースをめぐって

2 教科教室型運営方式をめぐって

3 空間の力  「普通の先生」による学校改革、空間が教師を呼び覚ます

4 波風立てながら

 

 

聖籠中学校(新潟県北蒲原郡聖籠町)の建設計画から

 

聖籠中学校は「教科センター方式」を取り入れている。建設のコンセプトは「学校とは、みんながまっているところ、また明日行きたくなるところ、生きる喜びを伝えるところ」を具現化することである。

この中学校では、従来型の、普通教室と特別教室の組み合わせによる特別教室型の運営方式の校舎で「普通」に授業をしていた先生たちが、特別に集められたわけではないのに、生徒が移動して授業を受ける教科ごとに専用の教室と、生活集団としてのホームベースの組み合わせで運営されるという教科センター方式という与えられた条件のもとで、それぞれ工夫をして「普通の先生達」による学校改革を始めている。この方式では、生徒は先生が来るのを待つのではなく、ホームベースから自ら学習に向かうことを通して、積極的に新しい交流や発見をし、自分の学校生活を組み立てることができる。 また「空間の力」が子どもたちに働きかけ、自然に子どもたちが明るくなり、顔が上を向き、顔を合わせたとき挨拶ができるようになる。これは先生たちがゆとりをもって教育に取り組める素地となっている。